前から聞いてたリハ棟改修工事の話が急に具体的な動きとなったあわただしい1週間でした。
改修期間中、一時的に院内の別の場所に移動するってことのようです。
” 一番ボロい建物に来て ”と言えばそれで十分伝わってた道案内。
そして疲れたときに眺める海と海風が最高の癒しだったこれまでのリハ棟は、名残惜しむ間もなくなくなることになりました。
巨大ネズミ、ゴキブリの大群、壊れて使えない義肢装具の山、プレデターみたいな筋トレマシン、用途不明の木馬、鳥のフンがたまった小箱、でかい魚の顎
引越しっていろんなものが出てきてワクワクします。
出てくるもの一つ一つにきっと意味があって、それぞれの歴史を持ってます。
この装具使ってた人は今ごろどうしてるのかな
木馬は何に使ってたのかな
顎は食べ残しかな
運び出しながら、一つ一つになんとなく思いを馳せてみます。
そして、容赦なく全部ゴミ捨て場送りです。
とりあえずせっせと荷物を外に運び出してますが、実はこの時点ではまだどこに引っ越すかちゃんと決まってない完全な見切り発車 unbelievable…
後日とりあえずの引っ越し先が隣の建物に決まったのはいいけど、元々そこにあった部署がいまだに立ち退く気配すら見せない これもやっぱりunbelievable…
取り壊しは早くも始まってて戻る場所もないので、こうしてリハビリテーション科スタッフは見事に居場所をなくしました。
とりあえず飛び出したはいいけど行き場がない家出少年状態。
それが病院という規模で平気で発生。
こんな状態がすでに10日以上です。
リハビリできる場所が他にないし道具も使える状態じゃないので、今はほとんどリハ診療はできてません。病棟に行ってやったり、来た患者さんは外に寝転んでもらってやったりする程度で、患者さんにもどう説明していいものか。
仕方ないので、解体作業を手伝ったりしながら毎日過ごしてます。
” 急げ急げは恵みなし ”
ということわざがあるくらい基本的に何をするのものんびりPOLEPOLEなタンザニア人ですが、壊すのだけは早くてびっくり。
他のスタッフは一日中何をするでもなく裏のブランコや滑り台でしゃべって過ごしてます。
なにより先に建物のリハビリが必要な状態で、確かに明日壊れてもおかしくないような雰囲気はありました。基礎も柱も壁もだいぶボロボロだったから、いっそダイナマイトで吹っ飛ばして新しく建て直した方がよさそうでした。
壊れる前に壊したほうがいいのは分かるとしても、いくらなんでも突然過ぎじゃ…
日本の病院では絶対考えられない話ですが、この無計画さ・無鉄砲さにこそアフリカらしさが溢れてます。
こういう見通しのなさが少しずつでも改善しない限り、アフリカはいつまでたっても今のアフリカから脱皮できないような気もしますが。
改修工事はDANIDAというデンマークのODAによる援助で、完成は11月ごろの予定です。
改修後は1階部分全部がPT室になるそうで楽しみです。