2009年04月26日

なないろ

現地名、Mosi oa tunya ムズィ・オ・トゥニャ
滝つぼで生み出された水しぶきは滝の高さ以上に立ち昇り、「水しぶきの滝」の名のままに幻想的な光景を作り出す
時に水煙の高さは500mにものぼるという

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200万年に及ぶ滝の浸食作用で、現在の滝は最初より100km以上も上流に移動したと言われている
滝の幅は1700m、最大落差は150m
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その規模の大きさから、ザンビア側から見えるのは滝のほんの一部にすぎない



せっかくなので国境に架かる鉄橋からのバンジージャンプにトライすることにした

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緩衝地帯である橋はビザなしで行き来できるようになっており、ジャンパーを見物する白人や現地民で大いに賑わっている

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すくむような高さだった
目はずっと開けていたはずなのに、飛び降りた瞬間からゴムの反動で上向きに引っ張られる感覚がするまでの3秒間ほどの記憶がすっかり抜け落ちてしまっている

ただ、重力と張力に身を任せながら我に返った時、真下のザンベジ川に不思議な虹が架かっているのを見た
どこにも切れ目のない、まん丸な虹だった

落ちるということの圧倒的な恐怖感と不思議な虹を目にした興奮
しばらく足の震えが止まらなかった

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七日間の旅は終わりに近づいている

タザラに乗り込んだあの日がはるか昔に感じる
それだけ充実した旅だったという風に思う

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いろんなことに心から感動し、時間をかけじっくりといろんなことを考えた旅だった
スワヒリ文化圏とはまた違ったザンビアの文化に触れることで自分の視野・知っていることががまだまだちっぽけなものだと思い知ったし、その分未知に対する興味や好奇心もさらに強くなった

旅は人を豊かにしてくれる

バスの予約や帰りのナイロビ空港でのロストバゲッジなど思い通りに行かなかったことも山ほどあったが、それも含めてどれもがいい経験になった





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posted by たいよう      at 22:50| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

LunarRainbow ☆★

ジンバブエとの国境の街 リビングストン

1855年、イギリスの探検家リビングストンが踏査し旧大陸の人間として初めて滝を発見、当時の女王に捧げる意を込めヴィクトリアの滝と名付けたという

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そしてリビングストンの名はそのまま街の名前となった

大きな街ではないが見事に観光地化されている
ルサカと同じく全体的に清潔感があり街中に大型ショッピングモールやスーパーが林立する様子は、隣国といえどもタンザニアとは雰囲気を全く異にする
南ア貿易時代に南アから欧米資本が大量に入り込んできた結果、まるで欧米の街並みに紛れ込んだような錯覚さえ覚えるような街になった
人々は流暢な英語を話し、目に付く看板も英語ばかりだ

その市街地から滝まで約8km
だが幹線道路の先にはすでに白い水しぶきがモウモウと上がっている様が見えている
世界に名だたる滝はもうすぐそこだ



入場する前から巨大な水の塊が滝つぼにたたきつけられる轟音がすでに大きく響いている
それも腹の底に響くような重低音

視界に飛び込んできたのは壮大な白いカーテン
ちょうど大雨季にあたる今、増水したザンベジ川が、凶暴にも見える濁流となって流れ落ちていく

水量がすごい
一体どこにこんなに水があるのだろう
雨が少しずつ集まってこの巨大なうねりを作り出すのかと思うと、気の遠くなるような規模の自然のスケールを思い知る

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滝と平行に木のつり橋が架かっている
どしゃぶりをさらに激しくしたような水しぶきが吹き荒れていて、5m先も見えない
レンタルのカッパが役を果たしていないのは橋から戻ってきた人を見れば分かる
シャツを脱ぎ捨て突入
滝つぼから上向きに吹き上げてくる強風と水滴で目などまともに開けてられないし、思った以上に水が冷たかった



冷え切った身体を温めながら夜の帳を待つ

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満月の翌日とあってかなり月明かりが明るい
今日は雲もない



19時すぎ
月がある程度昇ったところで虹が現れた


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滝が流れ落ちるそのちょうど真上、真っ白な水しぶき煙るすぐ眼の前の空に、ぼうっとアーチが架かった
肉眼では白みがかった光の筋のように見えるが、露出を長めにして撮ってみると確かに赤から紫の七色のグラデーションを描いている   


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ルナレインボー
雨季の増水と満月の月明かりのタイミングが合ったときにだけ現れる不思議な夜の虹
白っぽくみえることから白虹とも呼ばれている


雲がないから今日は星もよく見える

白もやを彩る虹の上に満天の星が輝いている
全てを忘れ、大自然の芸術に見とれていた






posted by たいよう      at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ザンビア到着〜

結局2時間の足止めとなった
日も沈みきったサバンナを列車は再び走り出す

深夜0時ごろ
国境を越えてついにザンビアに入ったようだ
ザンビア人が大量に乗り込んできた気配がする
こんな夜中に、いつ来るとも知れない列車をずっと待っていたのだろうか

物音や大きな話し声でいやでも目が覚める
聞こえてくるのは、聞きなれない現地語と英語
いよいよ未知の国に足を踏み入れつつある

冴えない頭のまま言葉の壁というあの不安感に襲われる
ときどき聞こえてくるスワヒリ語に心なしかホッとする
一年前同じように不安を感じていたスワヒリ語も今では心強い味方


朝7時起床
夜中何度か勝手にドアを開けられたりしたが、同室者は来ないようだ
今日もゆっくり過ごすことになりそう

サマカという駅に着き地図を取り出す
昨日の夜ムベヤを出たというのに、まだ国境付近にいるようだ

いくらなんでも遅すぎる
一晩かかってどこを走ってたのだろう
今日中に着く意思のないような進み具合に焦りを覚える

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しかも、出国手続きは済ませたのに入国審査をまだ受けていない
本来ならどちらも国境付近で車両内で済ませるはずなのだが
このままだとカピリの駅から出れず立ち往生することは目に見えている

そんなことを知る由もない物売りの子供たち
ウェンバ語という現地語でしきりに話しかけてくる
国境付近とはいえもうスワヒリ語は通じない

おはようはムリシャーニ、それに対してウィーノウ
ありがとうはナトテラ
落花生はンバララ、とうもろこしはナマタマ

無邪気な少年たちの笑顔にしばし焦りを忘れることができた


車窓を流れる景色を眺めること今日も約12時間

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到着は、予定より10時間遅れの日没時だった
2泊3日の列車の旅を、終点ニューカピリムポシで終えようとしている

50時間かけて1859km走り終えた
すすけた車体も心なしか疲れきっているように見える
しばしの休息ののち、この列車はまた3日かけてダルを目指す

駅でどうにかビザを取得し無事ザンビアの地に降り立った

時差の分、時計の針を1時間戻し乗り合いバスに乗り込む
ここから更に3時間、今日の宿泊先は首都ルサカ




この旅の目的地はリビングストン
ザンビア南部、ジンバブエとの国境の小さな街で、ナイアガラ、イグアスと並ぶ世界三大瀑布の一つ、ヴィクトリアフォールズに架かるという不思議な虹を拝むための旅である

リビングストンまではルサカから更にバスで7時間南下する
明日も朝から移動の一日になりそうだ

まだまだ先は長い




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posted by たいよう      at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ただひたすらPOLEPOLE・・・

鉄道2日目

昨日の時点ですでに景色に見飽きてしまった感もあるが、今日は丸々一日鉄道の中にカンヅメだ

同室にいるのは、タンザニア中南部ムカンバコで降りるというHerri1人
そのHerriとも8時ごろお別れ
今生の別れぐらいでしか使わないというフレーズ、Kila la heri!と声を掛ける
意味は「あなたに全ての幸せが訪れますように」
「ありがとう」という言葉を残し、Herriは笑顔で下車していった
初めて口にしてみたこの言葉の持つ美しさ、素晴らしさを知る

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Herriとの会話もそう多いものではなかったが、この時も一期一会のありがたみを感じずにはいられなかった

ムカンバコには確か夜中に着くと言ってたので、すでにだいぶ時間は押しているようだ
ここアフリカで時間通りは望むべくもない
ちゃんと目的地につけるだけでラッキーなことなのだ

最初5人だった二等のコンパートメントは、ついに貸切になってしまった

ただガタゴトと列車の揺れに身を任せる
ダルで買っておいたワインやつまみも一日中のんびりしているうちに残り少なくなってきた

駅で止まると、窓の外に物売りが押し寄せる
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便数が少ないとはいえ、外国人旅行者も多いこの列車は貴重な現金収入の機会なのかもしれない
子供から大人までいろんなものを売っていて見てて飽きない


コンパートメント内で気ままに音楽を聴いたり本を読んだり
身体は動かしていないが不思議と腹だけは減ってくる

メニューはタンザニアの定番、ワリクク(白ご飯とチキン)かワリニャマ(白ご飯と牛肉)
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気分を変えてウガリ(とうもろこしの粉を練って作るタンザニアの主食)も頼む
ザンビアに入れば、ウガリはシマと名を変えるそうだ


にしても列車の2泊3日というのは長い
ひたすら、ただひたすらのんびり旅
POLEPOLE(何事もゆっくりのんびり行こうや的な東アフリカ人のモットー)に身も心も任せる

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18時 
国境沿いの街 ムベヤ着
ムベヤは列車の旅のちょうど中間地点にあたる

どんどん旅のスケジュールは遅れていくが、現地の乗客はなんとも思わないようだ
誰一人として文句を言う者はいない
これぞPOLEPOLEの真髄

しかも機関車両の故障だと言ってここでさらに足止めを食らう

この足止めの間に夕日も駅舎の向こうに沈んでしまった
沈み行く夕日に時の流れを思い、さすがにさすがにこのままでは明日中にも着かないのではないかという不安が募る
明日中にザンビアに着かなければ、その後の旅の予定が台無しになる

旅のワクワク感と心配が入り混じったドキドキ感が続く







ラベル:のんびり 遅れ
posted by たいよう      at 20:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

世界の車窓から

一週間の連休の初日

15:50
タザラは、定刻に走り出した

しばらく窓の外を眺める
心地よい風とともに、景色が眼の前を流れていく
ダルの郊外といった雰囲気だった町の景色も、15分も走ればヤシの木ばかりが目に付くごく普通のアフリカの風景になってしまった


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踏み切りを通るたびに子供たちが大きく手を振っている
週に数回しか通らない列車に向かって手を振るのは、子供たちの楽しみの一つなのだろうか

走行中だというのに、各車両のドアは振動でか風でか全開になっている
止まっていると暑いダルも、風を受けて走れば気持ちのいいものだ

抜けるように蒼い空と木々の緑
のしかかるように見下ろす積乱雲

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どのくらい走ったろうか
窓の景色はほとんど変わらない
だがよく見ると、広葉樹の森やヤシのジャングル、サバンナと雰囲気をコロコロ変えていることに気付く

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タザラ(通称タンザン鉄道)は、タンザニアのダルエスサラームと隣国ザンビアのカピリムポシを結ぶ寝台列車
タンザニアとザンビア共同で運行されている

ザンビアは世界的な銅の産出地で、かつては当時の南ローデシア(現ジンバブエ)を経由して南アフリカから輸出していた
1965年、南アフリカが行ったアパルトヘイト政策に対して国連が取った経済封鎖により銅を国外輸出できなくなったザンビアは、経済的苦境に陥った
そのとき新たな経路としてダルを輸出港にすることを目的として1970年に建設が開始されたのがタザラ
その援助に名乗りを上げたのは中国だった
中国の全面的な協力によって、全長1859kmにおよぶ鉄道は3年後に完成した
車両は中国製であり、敷石にも「中花人民共和国制」の文字が一つ一つ刻まれている

カピリまで約40時間
列車の速度でも3日かかる道程に、ひとつずつ石を埋めレールを敷き・・・
気の遠くなるような作業だったに違いない

そのレールの上を、タザラは快調に進む
レールが緩やかな弧を画くたび、遥か前方の機関車両とズラッと後ろに続く客車が目に映る

日が沈む頃
ついにケータイの電波が入らなくなった

遠くに来ている
どんどん日常から遠ざかっていく

今日はどうやら雲が多いようで月も星も見えていない

6人部屋の二等コンパートメント
座っている分にはいいが、横になるとなればかなり窮屈か
座った姿勢で目を閉じると、すぐに眠りについた

23:30
モロゴロに着く
同室のタンザニア人家族(父、息子二人)が降りてゆく
ここでお別れ

たいして言葉を交わしたわけでもないし一緒にいた時間も数時間なのだが、なんとなく親しい知人と別れるような妙なもの寂しさがある
一期一会を意識させる旅というシチュエーション、それともう二度と逢うことはないだろうというちょっとした感慨が、どこか感傷的な気分にさせるのだろうか

夜中降り出したスコールの中をも列車は突き進む
けっこうな速度が出ているように感じる
窓の外を見れば、どこかで輝いている月の明かりの中で山々の輪郭が浮かび上がっている  
内陸に向かって走る列車は徐々に標高を上げているはずだ

コンパートメント内の気温も低い

建て付けの悪い窓からは雨が風が入り込んでくる
雨水に濡れた足はすっかり冷え切っている

機関車両の音は聞こえてこない
軋みやガタゴト音でなにかとやかましいこの列車だが、駅に止まってしまうと完全な静寂に包まれる
人気のない深夜の駅でははなおさらだ

かわりに、何百というヒキガエルや野鳥の鳴き声、鈴虫の羽音など、自然が奏でる音が聞こえてくる
それもなかなかに賑やかである
こういう音は、なぜか日本と変わらない
何もかもが日本と違うタンザニアで、ふと目をつぶれば日本の田舎の風景が迫ってくる
不思議な感覚だった
ラベル:タザラ 静寂
posted by たいよう      at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月05日

アフリカの生き物たち1

不思議な生き物の宝庫アフリカ
その一部を紹介しま〜す!


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獲ったど〜大物を仕留めてご機嫌のフィッシャーマン

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イセエビも獲れる

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サメの解体現場in魚市場 サメはpapaと呼ばれる。なんでも食用。

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一刀両断。無念の表情の鯛。

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今日の晩飯さ!と同僚。これは一体ナニ

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巨大ゴカイ発見 体長約40m

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ウミウシ 派手派手なのは人だけにあらず

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タコ 墨を吐きながら抵抗するも万事休す

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その後、こん棒でボコボコに叩かれるタコ 柔らかくなります

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ウニ獲ってみました

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これ、美味いのかニャーー?

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ウニタワーとネコ この後、風でネコの上に倒壊・・・

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ウニafter 色がグロテスクで食欲が萎える クリーミーで美味いと言えないこともないが

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ドナドナヤギ in ダラダラのシートの下

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ヤギ after ・・ではなく ホテルのパーティー用




ラベル:不思議 宝庫
posted by たいよう      at 22:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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