2009年07月29日

3分の1

7月に入りクスィという強い南風が吹くようになってきました
この時期に特有のモンスーンです

南半球のタンザニアでは、南風は北風に比べ冷たい風が吹くようです



奴隷貿易が盛んだった頃、当時のダウという帆船は、このクスィに身を任せてアラブ諸国やインドに向かったそうです
そして、12月ごろに吹くカスカズィという北風に乗って再びタンザニアにやってきました
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奴隷貿易禁止後に秘密の積出港として使われたマンガプワニ
ここからもたくさんの奴隷を乗せた船がクスィを帆に受けて旅立ったそうです
今では平和なビーチ


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当時の奴隷収容房と地下洞窟






当時の船の作り方は今に伝えられており、現在でも漁師たちはダウ船で漁に出ます







ザンジバルでの生活の中には歴史を感じさせるものがいっぱい

過去と現在が複雑に絡み合って不思議な雰囲気をかもし出す古都ストーンタウン
一歩街を出れば、昔ながらの伝統を今に伝える赤土の村々



そんな生活もあと8ヶ月で終わるのかと思うとちょっと寂しい反面、日本の生活が恋しい気もして複雑です



残り3分の1
活動もなかなか目に見える形での成果が出ていないし、しっかり残りの期間を充実させたいと思う今日この頃です


活動についてはそのうちまた報告します

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posted by たいよう      at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月28日

バナナの季節

今年も行ってきました

ザンジバルバナナ祭り in MAKUNDUCHI




今回もアツかったー!
去年に比べ一層激しい叩き合いだったような・・・




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手加減ナシ

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容赦ナシ

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お笑いナシ




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彼らは叩く
そこにバナナがある限り



なんか、あまりにも真剣すぎて笑いが出てしまう
そして逃げ遅れて腕を殴打される涙



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深追いが基本のマトバキャメラマン
そりゃー後ろからどつかれっど






そんなこんな
やっぱり今年も祭りの趣旨は分からないままに・・・






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今年も連れて行ってくれたシリム(左)
マクンドゥーチのことならなんでも知ってるシリム
こう見えて、めちゃくちゃ優しいシリム
たらふく昼飯食って、もう動けず


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シリムの孫、その名もシリム
人見知りだが愛嬌のあるかわいいシリム
いつもハナ垂れのシリム
夜店のサングラスをもらったシリム
帰るころにはもうおねむ。
ラベル:バナナ シリム
posted by たいよう      at 23:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月19日

photo キリマンジャロA

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posted by たいよう      at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

photo キリマンジャロ@

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posted by たいよう      at 01:52| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

朝日と涙☆

坂は最後の最後まで斜度を緩めない

「キリマンジャロは高山病にさえかからなければ子供でも楽に登れる」
なんて言ったのはどこの誰だろう

次第に大きな岩が目立つようになり、折り返しの幅が短くなっていく



うたた寝を繰り返しているうちに気がつけば闇夜が徐々に白み始めている
マウェンズィのシルエットを浮かび上がらせるかのように東の空が少しずつ明るさを増してゆく
いつのまにかマウェンズィの頂上を見下ろす高さまで登ってきた

視線をルートに戻す
ここで立ち止まるわけにはいかない
ウフルはおろか、岩場を登りきった所のギルマンズポイントにもまだ到達していない
眠気を振り切り、再び足を踏み出す



それから30分ほど登っただろうか

6:15
5685m、ギルマンズポイントに到達

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だが着くのがあまりにも遅すぎた
ここからウフルピークまではまだ1時間以上かかる
今のペースでは何時に引き返して来れるか分からないし、そもそも2人がウフルピークまで無事辿り着けるとはガイドは判断しなかったようだ


ガイドは穏やかな口調で言った
「ここまでにしよう」





その場にヨロヨロと腰を下ろす

すぐに瞼が視界を遮る
ペットボトルの水が完全に凍りついてしまうほどの気温だったが、寒さの記憶もほとんど頭に残っていない
もう、意識を保てない



その間にも太陽は暗闇を溶かしてゆく


雲海線で二分される雲と空
その境目から放たれる光が徐々に光量を増す
紺色と金色が混ざり合った不思議な光だ


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半年前に浴びた朝日を、またこうして浴びている
これまでの辛さを吹き飛ばす神秘的な瞬間だ

地上で拝む朝日とは確実に違うなにか
冴えない頭でもひしひしと感じる





あの時の眠気は、軽度の意識障害だったのかもしれない
慢性的な酸素不足は、明らかに脳の働きを衰えさせていたと思う

身体は異常な眠気という危険信号を発していた


もう少し早くギルマンズに辿り着けていたらあるいはウフルに・・・
という思いがなかったでもない

だが、ガイドの判断通りあの身体ではやはり無事ウフルに辿り着くことはできなかっただろう

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ウフルをゴールとすればギルマンズは道半ば
だが、達成感はほぼ100%に近い

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ギルマンズが限界だったのだ
不思議と後悔はない




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視界の先にウフルピークが見える
先に行った3人は今ごろあそこで同じ朝日を見ているのだろうか
そう考えながらも、意識は夢の中に入りつつあった









高山病に苦しみながらも一緒にギルマンズの朝日を拝んだおかーにゃ

後で聞いたところ、激しい頭痛に耐えかねその場でハットに引き返そうかと思ったという
メルーを登り切った経験を持ちながら、今回は本気で引き返すことさえ考えたというから本当に辛かったのだと思う

だがガイドはそれを許さなかった
「ここまで来たらもう引き返すことはできないんだ。ギルマンズまで、もう少しだけ一緒に頑張ろう」

そしてギルマンズに辿り着いた

ガイドはギルマンズまで行けると信じたからこそ諦めることを許さなかったし、彼女もそのガイドを信じたからこそこうして成し遂げることができた

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ギルマンズの朝日に照らされながらガイドの肩で涙する姿に、胸が熱くなった






登山者と現地スタッフは信頼関係で強く繋がっている
いや、6日間という期間でパーティーは固い信頼関係を作り出す

そしてもちろん、共に頂上を目指した仲間同士も


嘔吐、頭痛、めまい、眠気、むくみ、食欲低下
それぞれが辛い高山病と闘いながら、互いの目で、背中で、そして言葉で励まし合った

到達点はそれぞれ違うが、共に頂上を目指したということの意味は大きい



メルーで感じたことを、今回も思った

もう二度と登るもんか
でも、登ってほんとによかった




ありがとう キリマンジャロ

ありがとう 宇野くん
ありがとう おかーにゃ
ありがとう おさむちゃん
ありがとう ヒデ
ありがとう ミネちゃん
ありがとう 多くの現地スタッフのみんな


だれか一人でも欠けてたら、この貴重な経験はきっとできなかった
ことばではうまく伝えきれないけど、本当に感謝しています



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Nashukuru kwa msaada yenu nyote rafiki zangu.
Nimefurahi sana kuwezekana kupanda Kilimanjaro pamoja.
Maarifa haya ni makubwa kabisa kwa mimi.
Sisahau kumbukumbu hili daima kwa hakika na ninaona fahari juu ya niwe rafiki zenu.

Kwa fundi wa wenyeji;
Asanteni sana.
Isipokuwa nyinyi hatukuweza kupatia salama.
Wafurahishe wageni tele, kazi njema.
Kila la heri.

posted by たいよう      at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

闇夜を登れ

どこかで自分を呼ぶ声がする

誰だろう
どこから聞こえてくるのだろう

うっすら開いた目にまばゆいほどの蛍光灯の光が飛び込んできた


腕時計は23:30を示している



あぐらのままいつしか眠りに落ち、最後の記憶からすでに4時間が経過していた
あれほど考えあぐねたのは何だったのだろうか
寝るまいと思っても、強烈な睡魔に抗えない

頭痛はない
そのことが不気味なほど不自然に思えてくる



寝起きで今ひとつシャキっとしない頭でバックパックをまとめ
24:00
最終アタック開始

標高5896mのウフルピークを目指す



空気が薄ければ高山病に陥り、気温が低ければ凍える
蓄積される疲労はいっそう身体を衰弱させる

人間はもはや自然の厳しさに翻弄されるほかない

4700mという環境は、すでに人間に対して一切の油断を許さない
今年に入って邦人だけでも2名がこの山で命を落としている




歩き始めた足元が明らかにフラフラする
まっすぐ歩くことが、難しい


星は見えない
月もどこかに隠れている

暗闇を引き裂くように連なるヘッドライトの列が上を目指す
ライトで切り取られる丸い光の輪だけを見つめ、足元に全神経を集中させる
まだどこか醒めきらない頭で必死に大地を踏みしめる


フラフラな足取りに気付いたガイドがバックパックを代わりに背負ってくれる
先頭から2番目に並べられ出発したが、この時点で最後尾をゆくガイドのすぐ前に回された


白い吐息が光の輪を遮る
肌で、指先で、肺で、氷点下を感じる


道はなんだかやたら厳しい
踏んでは崩れる砂利とコブシ大の石ばかりで、登りにくい




2時間ほど歩いただろうか

足元のフラフラ感はだいぶ軽減してきたようだ
だが眠気はなかなか治まらない



数歩速めのペースで進んでは追いつき、数秒間休む
というより眠る
いやむしろ軽く意識を失う

自分の中ではそれで歩くリズムを掴んでいるつもりなのだが、ガイドから見るとそうもいかないらしい
「Usilale!(寝るな!)」
「イキマショウ!」
覚えたてのニホン語も交えガイドは必死にパーティーを鼓舞する


振り返ると、他のパーティーのヘッドライトの明かりが大名行列のように延々と続いている
暗くて顔は見えないが、みな歯を食いしばって登っているに違いない

自分だけ弱音を吐くわけにはいかない




時計の針は午前4時を回った

この辺りでパーティー内の進む速さがバラついてくる

その中でペースを保っている先頭3人とリーダーガイド
もう、自分はそのペースについてゆけそうもない

彼らの後ろ姿がやがて視界から消えてゆく



メンバーの中で自分を含めた2人が重い足取りで彼らの後に続く

隣の横顔には辛そうな表情が浮かぶ
かなりキツそうだ


ペースを少し落としガイドも含めた4人で先の見えない暗闇を進む
夜明けも頂上も、まだまだ先だ

ラベル:睡魔 氷点下
posted by たいよう      at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

道は続くよどこまでも・・・

4日目
最終アタックに向け、今日中にキボハットを目指さねばならない


高地順応の1日があったにもかかわらず今日も頭が痛い
むしろ昨日の方が体調はよかったかもしれない

昨日足早に降りてきた石っころの道を、歯を食いしばって黙々と登る


今日のルートは、砂漠ルートと呼ばれる

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草木が徐々に姿を消し岩と砂がどこまでも続く荒涼とした台地を突っ切る
傾斜は緩やかだが、その分歩く距離は長い


4000mを過ぎたあたりだろうか
心なしか酸素がだいぶ薄くなってきたような気がしてくる
呼吸に注意が必要になってくる

口の前にブルーの酸素の塊の玉が浮かんでいるイメージで深呼吸を繰り返す
息を吸うたびにその玉から酸素の分子が引きはがされスーッと肺の中に運び込まれてくる
とにかく酸素を取り込むイメージを意識的に作り出す

頭痛はしばらくして次第に治まってきた



4100m
最後の水場
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これから先はもう水の調達ができない


4200〜4300mあたりからが砂漠の本領発揮だ
草木が見るからにやつれ、見渡す限り砂利と石ころだけの無機質な空間が広がる

動物の気配はない
味気ない一本道が続く


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その一本道の行き着く先キボは、気まぐれな雲に姿を隠されたりしながらも、時おりその姿をのぞかせる


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吸って吐いてそれぞれで一歩、大げさなくらい大きく呼吸
ストックも、対側の足に合わせてテンポよく、しっかり腕の力も使って脚をサポートする
意識的に大またでリズミカルに足を運ぶことに気を遣う


日は差しているが、顔に吹き付ける風は冷たく乾いている
4400〜4500mあたりで植物は完全にその姿を消した



砂漠の中をひょろりと伸びた一本道をとにかく上へ向かう

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キボへ
キボの方へ
どれだけ歩み寄っても、なかなかキボは近づいてくる気配がない
とにかくデカい山なのだ


右手に見えるマウェンズィの頂もまだまだ上の方から見下ろしている


巨大な雲の陰が時おり視界を暗く覆う
風が強いためその陰もあっという間に吹き飛ばされてゆく

太陽と雲のなす角度
単調な歩みとは裏腹に、キボもマウェンズィもその表情を刻一刻と変えている



後半、自分なりのリズムを掴んでからはいくらかサクサク進めた
他のメンバーはちょっとキツそうに見える
どの顔にも疲労がにじんでいる



昼すぎ、遠くに4720mに位置するキボハットのトタン屋根が見えた

ということはこのあたりがおそらく4500〜4600m
メルーのソーシャリストピークとほど同じ高さだ

一度立ち止まり大きく深呼吸
疲労がに溜まっているのは自分も例外ではない

グッタリしていて何も不思議はない
前回帰り道で吐いた高さもゆうに上回っているのだ




14:30にキボハット着
9.26kmの道程で約6時間



ふと顔を上げると、エメラルド色に輝く巨大な氷河が見える

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kilimanjaro
マサイの言葉で「光輝く丘」という意味だと聞いたことがある

太陽光を受けて光り輝くあの氷河付近がアフリカ最高峰、ウフルピークだろうか





キボハットには宿泊するわけではない

しばし身体を休め、真夜中にここを発つ
最終アタック開始予定時刻は23:30


ここで睡眠をとって体力を蓄えるべきか
それとも寝ずに高山病の予防に努めるべきか

それぞれが難しい選択を迫られる


眠ればまず間違いなく激しい頭痛に襲われる
それに、体力は気力でカバーできるが一度高山病が悪化するともうどうしようもない
高山病はまぎれもなく病気なのだ

結局、1時間だけ仮眠をとってあとはししっかり起きていることにした


仮眠から目を覚ますと夜の軽食が準備されていた

食欲などもうとっくの昔に失せている
何も食べる気など起こらない

だが
「食べないのなら連れて行けない」
厳しい口調でそう言うガイドを前に何も食べないわけにはいかなかった

食パン1枚とパスタ1口、それとパイナップル3切れ
無理やり口に押し込んだ
胃に流し込んだ


「弱った身体では登頂などできないし、ただ辛いだけだ」
パーティーを気遣い、ガイドは言外にそう告げているようもみえた
ラベル:砂漠 光輝く丘
posted by たいよう      at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月18日

3つの峰

頭が痛い
すきま風で目を覚ました自分を割れるような頭痛が襲う

自分だけではない
みなも口々に頭痛を訴えている

眠ると自然に呼吸が浅くなり、酸素の取り込みが慢性的に不足する
その結果、高山病が発症または悪化するといわれる

この痛み
前回の高山病の苦しみを思い出した



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陽が昇る前は冷え込んでいたようだが、太陽が横から差し込む時間帯になると少しだけポカポカする

10:30
ボチボチ支度をし、ホロンボハット発つ

今日だけは時間に追われる必要はない
高地順応のための1日
400mほど登って、またホロンボハットまで引き返してくる
高地環境に徐々に身体を順応させるためのエクストラの日だからだ

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キリマンジャロには5896mのキボと5149mのマウェンズィという2つの峰がそびえている
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(モシから見たキリマンジャロ。左がキボ、右がマウェンズィ)

その谷間にあたるルートをマウェンズィを右手に仰ぎながら登る

どこかヨーロッパかどこかの山を思わせるマウェンズィ
こうして近くで眺めると、ゴツゴツとした岩の起伏が意外と多いことに気がつく



岩のゴツゴツした小道を登ること1時間
3980m地点のゼブラロックと呼ばれる岩場に到着
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さらに岩場を登ること30分
4100m地点で小休止

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ここで視界がひらけ、視線の先にキボがその巨大な姿を現す
この時点でまだ頂上は10kmほど先にあるのだが、あまりの大きさにまるですぐそこにあるかのように見える



約70km先
稜線上、かすみのはるか彼方にほんの少しメルーが見えた

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あの山のてっぺんからキリマンジャロを眺めたのはちょうど半年前の今日だったか



空は今日も突き抜けるように青い
低いところの空は淡い青
そして上空は濃いめの青

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マウェンズィ上空を彩る
グラデーションブルー



今日は登り始めからフラフラ感を感じている
やはり自分の中では4000mという高さが体調変化のひとつのポイントであるらしい
この高さまで来ると、いやでも高地であることを意識せざるを得ない

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14:30
疲れた身体を元気づけるようにミスチルを口ずさみながらホロンボハットに帰着


ゆっくり身体を休めたいが、横になることに抵抗がある
安易に眠ることで体が高山病が悪化するという恐怖感
眠たいのだが眠れない



明日は4720mのキボハットを目指す

さすがに言いようのない不安が胸に募る
高山病と疲労、睡眠不足、寒さに襲われながら、さらに1000m高いところを目指すのだから




今日は夜空がキレイだ

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南半球でしか見えないという南十字星が真上に輝いていた
ミルキーウェイも昨日よりはっきりと光の帯をなしている

空全体が明るい

視線を落とせば、煌々と光り輝くモシの街明かり

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一瞬だけ不安感を忘れ自然に見とれることができた
posted by たいよう      at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

モシの朝

湯気の立ち上るムトリというバナナのスープとチャパティで目を覚ます
標高の高いモシの朝は肌寒い


9時すぎ、ツアー会社のバスが迎えに来た
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いや、バスというより救急車  
これからキリマンジャロに挑みに行くというのになんだか不吉なスタートを切る



1時間後、標高1700mのマラングゲートに到着

自分を含めた仲間6名とガイド2名の計8名でゲートから登り始めたのは11:08
6日間に及ぶ登山をいよいよ開始する

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初日の目標地は2720mのマンダラハット



レインフォレストと呼ばれる森は、雨こそ降っていないが湿度はいくらか高いようだ
緑々と茂った樹木が直射日光をさえぎり、瑞々しい新緑の香りと滝のマイナスイオンに癒されながら進む

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スロープはやや急なところが目立つ
道を取り囲む樹木に絡まるシダ植物が徐々に増えてくる

マラソンの筋肉痛はあらかた治っていたが、2300mあたりから体に重さを感じるようになり、次第に口数も少なくなってゆく

休憩でいくらか回復はするが、またすぐに疲労に襲われてしまう

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森の雰囲気はメルー山とどことなく似てはいるが、決定的に違うのはここでは動物をほとんど見かけないということだ

野生動物が住んでいないのか、それともうまく隠れているのか
動物と呼べそうなものは不思議とまったく見かけない

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マンダラハット着はだいぶ陽も傾いた5.5時間後

先に到着した調理師が用意してくれた暖かい夕食が身体に染み渡る



今回ともに頂上を目指すのは、同期隊員5名とガイド、調理師、ポーターも全員含めると総勢22名のビッグパーティー
とても賑やかだ

外はだいぶ寒く、水も少し痛いくらいに感じる
吐く息もすでに白い

雲がかかっているのか星が全く見えない
日が沈んでしまうと、森は真っ暗闇と静寂に包まれた





6:30起床

すでにマンダラハットの眼下には雲海が広がっている
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イングリッシュな朝食と甘めのチャイ(紅茶)で午前中のエネルギーを摂る


8:40
マンダラハットを出発すればすぐに広大なキリマンジャロナショナルパーク内に入る


視界が開け青空の下の開放感のある小道を行く
マウンディという小ぶりなクレーターに到着
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キリマンジャロは国境にそびえているので、東側の嶺からケニアの小村や湖が眺められる
まさにここはタンザニアとケニアの境目

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2900〜3000mあたりで植生がガラリと変わる
背の高い木は姿を消し、目に付くのは低木ばかり
おかげで見晴らしが良い
いかにも高原といった感じの小道をひたすら進む

急斜面はほとんどない
歩きやすい道に前半はパーティーのテンションも上々

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山の天候は変わりやすい
濃い目の霧が目の前を左から右に通り過ぎていく
陽が差したかと思えばすぐにかげってしまう


3000mを過ぎたあたりから草木の葉は広葉から針葉に徐々に変化してくる
同時に、見たこともないような色とりどりの花があちこちに咲き乱れる

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エバーラスティングフラワーという可愛らしい花が沿道を真っ白な花で彩る


3200mあたりでランチタイム

吹き付ける風が休む身体をぐんぐん冷やす

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このあたりからはいよいよ高地にいるなといった感じ
風が揺らすものもほとんどなくなってきているので、昼間とはいえあたりはしんと静まり返っている



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残り3分の1

今日は3720mのホロンボハットを目指す

予定では5時間の道程
今のところまずまずのペースだろうか

水分もこまめに摂取する
今回与えられる水は濁りが少なく見るからにキレイだ
その分、大地の味もちょっと控えめ


後半、ひらけた高原の道はまだ続く

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16:00
ようやくホロンボハットに到着
計7時間20分
ハットが見えたときには思わず全員が歓声を上げた


ホロンボハットは白人登山客や現地スタッフで大いに賑わっている
マンダラハットから今日登ってきた者、3日目の高地順応を済ませてきた者、最終アタックを終え明日下山する者
ここではいろんな人間が身体を休めてゆくからだ

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現在、富士山頂のちょっと下のあたり
ただでさえ寒い時期
気温は当然かなり低い
外のテーブルが凍りつくくらいだから夜には氷点下になるのだろう


星が見える
ミルキーウェイも見える
だが下弦の月が明るくてそこまでたくさんの星は見えない



今日は6人部屋

早くも頭痛に悩まされる人、なんともない人
高山病の症状の現れ方は人それぞれだが
みなでワイワイ過ごす時間は何事にも代えがたい

今のところ自分は無症状できている




posted by たいよう      at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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