2009年09月06日

ママムティリエの少女たち

↓ウガンダで活動する同期隊員のブログより(だいぶ要約しました)

ある日夕食を食べていると小さな女の子が頭にカゴを載せてトコトコやって来ました
物売りとは知りながら食事を続けていてしばらく経ったころ、ふと見るとまだその子が黙って僕の方を向いて立っているのに気が付きました
思わず「ハッ」としました
気付いてくれるまでひたすらじっと待ち続けていた少女
「これ買って」ときっと言いたかっただろうのにそれが言えなかった少女
その姿を目にした瞬間、「声なき呼びかけ」という大切なことに初めて気が付きました。



この話を読んで真っ先に思い出したのがママムティリエの少女たち





@ママムティリエ(直訳は、ママよそってあげて!)
日が暮れ断食が明けたあと、大勢の現地人でにぎわうローカルな屋台食堂です

少女たちはここでジュースを売っています
十にも満たないくらいなのか、みな幼い顔ばかりです

洗いざらしのペットボトルに入れたわずか7円ほどの手作りジュース
カゴいっぱいで重たいのでしょう
どれだけの利益になるかも分らないジュースを、大人たちの合間を縫うようにフラつきながら売り歩きます



「ジュイシ ミア(ジュース100シル)・・・」
そう叫びながら歩き回る子供たちのけなげな姿を見ていると、喉が渇いていなくてもつい声を掛けるようになりました

何度も繰り返して使っているため、傷みの激しいペットボトル
その小さなボトルを受け取るとき、必ず名前を聞くようにしています



今まで当たり前のように見すごしていたこと
ブログを読んではっとしたこと



ただ「子供がジュースを売っている」のではないんです

「貧しい家庭に生まれたヌヌが、ユスラが、ファトゥマが、家族の暮らしのために重たいカゴを下げ、一本わずか7円のジュースを夜遅くまで大人に売って歩いている」のです


これが自分だったら、という想像は容易ではありません
でも、もしこれが自分の弟だったら、自分の娘だったら、と想像すると思わずぐっときます





貧しいとはいえその日の食料に困るような生活とは無縁のザンジバル
ここではブラウン管でよく見るような貧困アフリカに触れることはまずありません

そんななか小さな子供が夜遅くに物を売り歩かなければならない状態を目にすると、アフリカが持つ貧しさというものをふと思い出します

自分にできることは何だろうとか考えてみてもたいした答えは見つからないけど、貧しさゆえに家庭での団欒のひとときも勉強のひとときも持てない子供たちがいるのという事実をこの目で見て実感できたこと


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その経験が自分の中の何かを変えてくれそうな、変えられそうな気がするのでした



posted by たいよう      at 15:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

モスコレ09'

モスクの造り
ただ礼拝するための場なので、教会や寺院と違って装飾も少なく殺風景なのが特徴
祈りの前に手足を清める洗い場が入り口に設けてあり大広間のようなところに絨毯が敷いてある他は、マッカの方角を示すミフラーブという窪みが壁にあるだけというシンプルな造り
イスラムには聖職者にあたる信徒がいるわけではないので常駐者はいない
祈りの時間になると人々が集まり、終われば解散する
そのため礼拝の時間以外に人気はない


ミナレット(尖塔)について
もともとは祈りの時間を知らせるアザーンのために使われていた
かつては肉声で行われていたアザーンも、今ではスピーカーを使うところが増えたという
細長く屹立する塔は、神は唯一なり、という数字の1を象徴しているらしい


ドームについて
丸い天井は礼拝を率いる導師の声をうまく反響させる働きをしているという





数あるモスクのうち、変わりダネをいくつか紹介します


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病院の中のモスク
スタッフ、外来患者、お見舞いの人など
さまざまな人が利用する


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in大統領オフィス
大統領も含めた政府関係者もムスリムなので、ここにもちゃんとあるんです


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貯水池に佇む水上モスク
水面に輝く夕方とアザーンの組み合わせがなんだか幻想的


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丸みを帯びた独特のミナレットが特徴のこちらは
17世紀に建てられたストーンタウン最古のモスク


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@キルワ(タンザニア南東部、金や奴隷の貿易で栄えた古都 世界遺産)
左)15世紀に作られたモスク跡 天井が崩落するなど朽ち果ててしまっている
右)11〜15世紀にかけて徐々に拡張された大モスク
  当時の王もここで祈った


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珍しい女性専用のモスク@ストーンタウン
普通女性はモスクには行かず家などで祈るが、ここだけは女性が集まる


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ダル港に設けられたゴザだけの礼拝スペース
モスクではないが、フェリー待ち時間に礼拝の時間を迎えるとここで祈ることができる







モスクはアラビア語では「マスジド」といい、原意は「額ずきの場所」
確かにザンジバルでもおでこに祈りダコ(?)のあるムスリムを多く目にする


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でこの黒ずみこそ、敬虔なムスリムの証?


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このツルンとした綺麗なおでこにもいつか黒いタコが・・・







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posted by たいよう      at 14:44| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

What's the fasting?


断食とはどういうものか
少しずつだがようやく分るようになってきた


断食を行う理由・目的はさまざまあると思うが
@身を清めるため
A富める者も貧しき者も同じように空腹感を感じることで飢えの意味を知り、困窮者の辛さを理解するため
この2つはよく耳にする

なんらかの理由でラマダン月に断食ができない場合はその日数分だけほかの時期に改めて行うことができるし、それでもできない場合は貧困者への喜捨という形で代償することもできる
病人は断食を義務とされないし、旅行の道中も断食から開放される(移動に体力が必要だった昔のなごり?)という

断食というと「とにかく飲み食い禁止を強制するイスラムのストイックさの象徴」という印象を持っていたが、ただやみくもに身体的な苦痛を強いるわけではないようだ





イスラム五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)はすべて神への信仰を表す

断食も神に対する信仰行為であるが、それと同時に神という絶対の垂直軸に対応する水平性の意識を強める意味があるという
すべての者が神の前では同じ一人の人間でしかあり得ないという、同胞間(人間間)の平等性の絆を強めるはたらきである

上に挙げたAはまさに水平性・平等性の意識を強めるはたらきだといえる


同胞意識が強いイスラムの性格もこういった宗教的背景から生まれたようだ
イスラムによるテロは、極端な形で表れた同胞意識とも考えられるかもしれない
同胞意識をそこまで強く持たない日本人には、この感覚は分りにくい







イスラムのコミュニティーも、この同胞性・平等性を基調として成り立つ




家族や友達とのつながりを大切にすること
やたら「兄弟」の範囲が広い家族構成
とにかくフレンドリー
挨拶を重要視する社会
上下関係に必要以上に重きをおかない風潮

ザンジバルのコミュニティーも例外ではなく、確かに横のつながりをとても大切にしている印象を受ける


「アダムから生まれた人類は、みな兄弟なんだ」
そう語ったムスリムの一言にも納得がゆく









おとといの満月でザンジバルの断食もようやく半分を迎えた
あの月が新月になり断食が明ける日まで、あと半月



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あとはアザーンが鳴ればこの日の断食は終わり




ちなみに今年は断食はしていない
食いしん坊にとって空腹はけっこう辛いので

健康診断前だから健康管理がイチバン、と自分には言い聞かせ、こっそり倉庫でピーナツをつまんだりドアの鍵を閉めて水を飲んだりしている

だから誰に隠れるでもなく家で堂々とご飯が食べれる休日はいつも以上に待ち遠しい


posted by たいよう      at 14:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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